緊張すると声がふるふると震えてしまう。
話し始めた瞬間、自分でもわかるくらい声がゆれている。そのせいでますます焦って、さらに声が乱れる。そんな経験をしたことがある方は、少なくないと思います。
プレゼンや発表、人前でひと言話すだけの場面でも、声の震えが気になってしまう。「もっと落ち着いて話せたらいいのに」と思っているのに、体がついてこない感覚はとても苦しいものです。
緊張したとき、体の中では何が起きているか

声が震えるのは、気持ちが弱いからではありません。体が「危険を感じた」と判断して、自動的に反応しているだけです。
緊張すると呼吸が浅くなります。吸う息が短くなり、胸だけで小さく呼吸するような状態になります。そうなると声を支える空気の流れが不安定になり、声帯(声を出す部分)が安定して振動しにくくなります。結果として声がゆれたり、かすれたり、途中で詰まったりします。
また、肩や首まわりに力が入ることで、声が出てくる通り道が狭まってしまうことも影響します。力んでいるほど、声は震えやすくなります。
つまり声の震えは「気持ちの問題」というより、「体の状態の問題」として起きていることが多いのです。
本番前にできる対処法、3つだけ
声の震えに対処するとき、気持ちを落ち着かせようとするよりも、体の状態を先に整えるほうが効果的だと話してくださった方がいます。
1. 息を吐くことから始める
本番直前に深呼吸をしようとして、思い切り吸い込む方が多いのですが、緊張しているときはまず「吐く」ほうを先にするのがコツです。
吐き切ると、体は自然と息を求めます。そのときに入ってくる空気は、力んで吸い込んだものより落ち着いた質になりやすいと感じている方がいます。息を吐くことで、体全体の力みがすっと抜けやすくなるためです。
2. 肩と首まわりをゆるめる
発表前に肩をぐるぐると回したり、首をゆっくり左右に傾けたりするだけで、声の通り道が少し広がりやすくなります。
ある体の使い方を学ぶ場では、「本番前に首の後ろを軽くほぐすだけで声がふわっと出やすくなった」と話してくれた方がいました。強く揉む必要はなく、温めるようにそっと触れるだけで変化を感じやすいとのことです。
3. 足裏を地面にしっかりつける
立って話す場面では、足裏の接地を意識するだけで体の安定感が変わることがあります。
つま先に重心がかかっていると体全体が前のめりになり、呼吸が浅くなりやすいです。かかとも含めて足裏全体で地面を感じるように立つと、下半身がどっしりして、上半身の余計な力みが抜けやすくなります。声の土台が安定してくる感覚を覚えた方がいます。
これらは特別な道具もトレーニングも必要なく、本番直前に少しだけ意識するだけでできることです。もちろん、すぐに大きな変化が出るとは限りません。ただ、続けて意識していくことで「以前より落ち着いて話せるようになった気がする」という方が少なくありません。
人前で声が震える悩みをもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
震えていても声は出る。体の土台を作ると変わってくること
声の震えは「練習して慣れるしかない」と思われることが多いですが、体の状態を整えることで変わりやすくなった方もいます。
声を出すのは、喉だけの仕事ではありません。呼吸を支える体全体の状態が、声の安定に関係しています。気持ちを無理に落ち着かせようとするより、体から整えていく視点が、思った以上に効果的なことがあります。
体の使い方に興味がある方は、ぜひ一度体験してみてください。

